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【CoachingWorld】Celebrating Impactful Coaching 「絶賛される効果的なコーチング」

 ICFでは年に4回、コーチングワールド(CW)という情報誌をオンラインとpdfで発行しています。オンライン版であれば、会員でなくとも、誰でも自由に閲覧することができます。

ICF日本支部では、翻訳ボランティア会員の協力を得て、このコーチングワールドの記事をピックアップして日本語に翻訳し、日本の皆様に世界のコーチング状況をお伝えして参ります。これは将来的には会員専用コンテンツになる予定です。こうした活動を御支援いただくために、是非、御入会を御検討ください。

 今回は、2014年2月号から、大森 隆氏に翻訳いただきました「Celebrating Impactful Coaching 絶賛される効果的なコーチング」の記事を御紹介します。アメリカ軍の調達を支える「絶賛される効果的なコーチング」とは一体、どのようなものなのでしょうか?


CoachingWorld ISSUE9 February 2014
Celebrating Impactful Coaching 「絶賛される効果的なコーチング」
Celebrating Impactful Coaching 「絶賛される効果的なコーチング」
Celebrating Impactful Coaching 「絶賛される効果的なコーチング」

 2013年のICF 国際プリズム・アワード・プログラムでにおいて、防衛調達大学が特別賞を受賞した。DAUは、2013年6月に10周年記念のキャピタル・コーチ・カンファレンスにおいて、ワシントンDCチャプターのプリズム・アワードを受賞したことでも、知られるようになった。

 ICFトロントが開発したコンセプトであるプリズムアワードを、ICFグローバルは2005年に採用した。それはビジネスでも組織にでも、プロフェッショナル・コーチングがいかに様々な分野で効果をあげているのかを認めるものである。この賞は、各規模の組織や各部門において、どのようなプロフェッショナル・コーチングが遂行されているかを示す縮図になっている。

 今年、ノミネートされた23のプログラムは、世界各国のICFメンバーの判断により、4つの基準で選ばれた。4つの基準とは、プロとしての厳格な水準を満たしており、重要な戦略目標を示しており、組織の文化を整えていて、そして、認識可能で測定可能な良い影響を与えているというものである。
 国際プリズムアワードについての詳細は Coachfederation.org/prism. を参照。

スキルの習得

 防衛調達大学(Defense Acquisition University、以下「DAU」)は、米国の防衛品調達に従事している人々のための専門教育機関として、世界最大の購買企業に関わる152,000人の軍人や文民の防衛品調達のプロフェッショナルに対して、学習機会とリーダーシップ開発を提供する役割を担っている。

 2008年、DAUは調達結果の精度向上と防衛品調達の幹部リーダーたちのリーダーシップ能力を高める目的で、履修科目にコーチングを組み込むことができるか調査し始めた。広範囲な調査とベンチマーキングの結果、DAUはICFの倫理規定とコア・コンピテンシーを核とし、調達業務ならではの要望ニーズに合わせた正統なコーチ・トレーニング・プログラムを開講させた。

 DAUのコーチは、すべて上級教職員で経験豊かな防衛品調達のプロであり、厳正に選ばれ、訓練され、資格認定プロセスを経ることを条件とされている。600人以上のDAU教職員の中でコーチ・トレーニング受講対象に選ばれるのは、年に僅か8〜10人程度である。選ばれた受講者はICFの倫理規定とコア・コンピテンシーを探究し、実践する2日間のワークショップを5回に渡って受講する。トレーニングには数多の積極的な学習機会や、ピア・コーチング形式による建設的なフィードバック、音声記録やビデオ撮影、1対1のピア・コーチング・セッションのグループ批評、そして360度フィードバック評価が含まれる。それぞれの受講者はまた、DAUのメンターコーチによるコーチングを受ける。メンターコーチとしての資格を得るには、実習課目をやり遂げ、1人の幹部リーダーに最低6ヶ月間のコーチングをやり通すことが求められる。

DAUは実習課目の中間時と終了時に、それぞれの受講者に対する定性的、定量的な評価を行う。評価にはクライアントへのインタビューやオンライン調査も含まれる。コーチたちは資格を得た後も、毎年8時間の集中学習の完了と、年間少なくとも1名のクライアントに対してコーチングを行い、クライアントリストを更新することが求められる。

DAUでは現在までに、49名以上の教職員がトレーニングを修了している。1対1の、またはグループでのコーチングによって、彼らは225名以上の防衛調達の幹部リーダーたちにコーチングを実施している。

加えて、DAUの開発したICFのコア・コンピテンシーを考慮したリーダーシップ開発コースの履修によって、4,400名以上の中上級階層のリーダーが恩恵を受けている。「コーチとしてのリーダー」「調達業務下でのリーダーシップ」「意思決定者のための総合調達」そして「利害関係者との関係構築」の4コースは、防衛調達に従事する人々の隅々にまでコーチング・スキルの理解と活用を広めている。

DAUのコーチング・プログラムはコーチング契約に関して、100パーセントの機密性が確保されるようにデザインされている。DAUコーチをパートナーとしたクライアントがそのプログラム提供の機密性に価値を見い出しているにもかかわらず、防衛調達に従事する人々へコーチングが広がり続けていることは、ここでは、コーチングにまつわる汚名とは無縁であるということを意味している。軍人や文民の幹部リーダーたちがDAUのコーチとのパートナーシップによる公私に渡る効果を粘り強く訴えることで、コーチングの需要は高まり続け、エグゼクティブ・マネージメント・コース受講中にコーチングへの関心を示す幹部リーダーの割合は、10パーセントから20〜35パーセントに上昇している。

 DAUのコーチング・クライアントは組織変革、人のつながり、戦略的思考、リーダーシップ、リーダーとしての自信、そして時間管理の領域で期待以上の成果が上がったことを報告している。カークパトリックの4段階評価で集計されたコーチング終了時の調査では、すべての評価段階で肯定的な効果があることが明らかとなっている。
反応(92.5パーセントの肯定的評価)、学習(90パーセントの肯定的評価)、応用(上位4つの効果:①長期的な展望によるコミュニケーション、②行動上の良い変化、③利害関係者との関係強化、④リーダーシップおよび社交性の向上)そして、ビジネス上での成果(上位4つの効果:①自分の、またはグループの生産性向上、②顧客満足の向上、③リソースの増加、④サイクルタイムの縮小)である。

 年間3,500億ドルの調達予算を持つ防衛調達の運用環境では、全ての投資において高い成果が求められる。報告されている非財務的投資利益率(non-financial ROI)で330パーセント、財務的投資利益率(financial ROI)では743パーセントという数字が示す通り、DAUの先進性はこの要求を満たしている。DAUの収益率算定技術と研究成果は元DAUコーチであるアルフォンソ・モスリーの博士号論文とそれに続く専攻論文「コーチングROI:防衛調達に於けるエグゼクティブ・コーチングの戦略的価値を示す」(Xlibris 2011)に記されている。

 将来に目を向け、プログラムを受講したリーダーたちは、他の行政組織に対して手本を示しながら、調達産業、技術産業、物流企業でのコーチング文化を前進させる努力をしている。DAUは、行政機関でコーチングを実践するコミュニティ形成のほかに、行政機関の従事者に向けた共通のICF認定トレーニング・プログラムの基礎となる別の行政機関のコーチング・プログラムとのパートナーシップ構築に取り組んでいる。

著者:CoachingWorld

Originally written in English by CoachingWorld.
Coaching World, Issue 9, February 2014, pp.12-13

http://icfcoachingworld.com

翻訳:翻訳 株式会社SPECCHIO 大森 隆 氏

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