ワイの最近のコラムに刺激を受け、コーチとしての役割にダイレクトに関係する話をシェアします。
7月29日、私はTraversée du Lacに参加しました。スイスのレマン湖の岸から対岸までの1.8kmを泳ぐものですが、これはレースでもコンテストでもありません。ヨットもモーターボートも周りにない、美しい湖を安全に泳ぐものです。
いつもは、私は夫と一緒にトライアスロンなどのスポーツをします。この時は競ったりせず、お互いにペースを合わせながら、一緒に楽しむためにしています。
今回、夫は怪我をしていて一緒に泳ぐことができませんでした。なので、少しタイムをあげられるように一人で参加しようと決めました。以前もやったことがあると思っていたので、たぶん今回も一人で大丈夫だと思いました。
100m進んだ後、私は過呼吸のようになり、息が苦しくなりました。私は喘息を持っているので、この状態をシリアスに受け止めなくてはなりません。私は回復させる方法をみつけなくては、と背泳ぎに変えて深い呼吸をすることにしました。この時、頭の中に声が聞こえ始めました。
できる。
無理。
一歩ずつ進もう。
立ち止まらない。ただ進もう、次の大きな黄色のブイをめざそう。
自分のペースで、ゆっくりと息をするのよ。
もしフレデリックと一緒なら、もっと楽で楽しめたでしょうに。
何か問題が?
あなたは自分の行動をコントロールできるはず。
状況を受け入れて。
バカなことは考えずに、この瞬間を楽しむのよ・・・etc.
私はやめるか続けるか迷いました。結局予想より長くかかりましたが、なんとかクロールではなく平泳ぎで泳ぎ終えました。その場にふさわしい方法を見出し、アジリティを発揮できたのです。
あなたたちも頭の中でこのような声を聞くことがよくあると思いますが、さて、これがコーチングにどう関わりがあるのでしょうか。
その週の後半に私は the ICF Executive and Leadership Coaching Community of Practiceに出席しました。そこでロン・カルッチは、コーチとクライアントの健全な関係性の構築において彼の見解を述べる中で、物語(ナラティブ)の概念に焦点を当てていました。彼は、人は自分たちのナラティブを持っているといいます。私たちはみな、たくさんの物語を持っているのです。それにはまず、私たちの意識を高め、物語を受け止めて、書き換える準備を整える必要があります。柔軟に、その状況に適応していくのです。つまり、私たちは振る舞いを変え、能力を磨き、さらなる成功のために適応させていかなくてはなりません。
このコンセプトはとても響きました。これは湖で経験したことと重なる部分があります。湖の逆サイドまで行き着きたければ、明らかに私は私の物語を変える必要がありました。
これは私の見解ですが、コーチとしての役割とは、セルフアウェアネスの手助けをしたり、内なる声が聞こえてきたときにその声をリアルにしたり、その声に向き合う状況を励ますことです。自分の能力をフル活用するために、自ら作った内的障壁を取り除く支援、とも言えます。
コーチングセッションの後、クライアントはゴールを達成するためのアクションプランをたてますが、日常に戻ると、彼らは一人きりであり、自分の課題に直面します。
私たちの役割は、クライアントが自分の物語から聞こえてくる小さな声に対処できるように、クライアントが振る舞いを整え、邪魔するものをストップすることのできるリソースを見出せるようにすることです。
さて、次のコーチングセッションで、クライアントとともに、頭の中にある小さな声をみつけにいきたくなりませんか。彼らの物語のリフレーミングにコミットしたくなりませんか。これは成功への大きなステップになるでしょう。そして、たぶんきっと、私が湖で一人でしたような、まさにそのような状況に機能するナラティブを選び出し、小さな声を飼い慣らすことができるでしょう。これはまさに、セルフアウェアネスとパーソナルアジリティです。