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革新的なゴールの設定と達成

人生の中で、ゴールの設定というものは、大きな意味を持ちます。それはコーチングのアプローチの中でも同様で、特に大きなカギを握っていると云えるでしょう。しかしゴールとは、どんなものでも設定すれば有効に働く訳ではありません。クライアントの充実と成長のために有効な、ゴールについての考え方と設定の仕方とはどのようなものでしょうか。

ジョン・ホイットモアの『ゴールのピラミッド』はドリーム・ゴール、エンド・ゴール、パフォーマンス・ゴール、プロセス・ゴールという4つの異なる役割のゴールとその関係性について解説しています。複数のゴールの違いを理解することは、クライアントが自身の夢を実現するために(それを阻害するのではなく)有効に働くゴール設定をするのを、コーチが手助けするのに役立ちます。

核心的なゴールを設定する

ゴールを実現するための障害は、外にも内にもあります。コーチとして私たちはその両方をなくし、クライアントが恐れや嫌悪に捕らわれるのを止めて、自らが望むことを実現する情熱に向けてシフト出来るようにフォーカスしていかなくてはなりません。その中で、私たちはクライアントにとって意味のあるゴール設定を模索していけるよう、促していきます。

もしゴールが他人によって設定されているか、クライアント自身が達成したいと思えるようなものでなかった場合、クライアントは選択と力を奪われている状態だと云えるでしょう。ゴールの達成に対して自分自身のモチベーションと責任を持てることは、成功のための最低限の条件です。

革新的なゴール設定は、クライアントのより奥深い望みを掘り起こし、彼らのモチベーションの核心や、夢、より大きな大志に迫っていきます。どんなに素晴らしいプランを建てても、彼ら自身の想像力、感情、意志の力に根差すビジョンなくしては、その実現のための努力や勇気を奮い起こすことは出来ないのですから。

それでは、『ゴールのピラミッド』を見ていきましょう。

1) ドリーム・ゴール

ドリーム・ゴールは、クライアントを鼓舞するもの、望む未来など、朝ベッドから起き上がる意味を与えてくれるようなヴィジョンのことです。それは常に方向を示してくれる北極星の様にクライアントの進むべき道筋を示してくれるもの、努力をする意味ややりがいなどです。

2) エンド・ゴール

エンド・ゴールはクライアントが達成しようとする目標です。ドリームゴールは仮想的なものですが、エンド・ゴールは実行が可能そうなもの、多少の変更が可能なものでありながら、クライアントの意思で必ずしも達成がコントロールできるわけではないものになります。例えばエンド・ゴールがとある仕事のポストに就くことであれば、他の候補者が選ばれることもあるでしょう。何かの賞を受賞するというゴールであれば、他の誰かが受賞することもあり得ます。

3) パフォーマンス・ゴール

パフォーマンス・ゴールは、エンド・ゴールを達成するためにクライアントが必要だと思うパフォーマンスのレベルです。重要なのは、パフォーマンス・ゴールはクライアントが掌握できるものであることです。それを実現するために必要な行動について、クライアント自身のみが原因となるものです。暫定的なゴールをベンチマーク的に設定して一つずつ消化していくことで、クライアントはゴールを達成するために必要なものを積み重ねていくことが出来、それによってエンド・ゴールの達成に繋げて行くことが出来ます。クライアントのコントロールできない要因によってエンド・ゴールを達成出来ない可能性はありますが、その場合でもそれに必要なパフォーマンスのレベルは、達成することが可能です。

4) プロセス・ゴール、もしくはワーク・ゴール

実際に行うこと(SMARTゴール)です。夢やレトリックは一旦横に置いて、クライアントは自身のパフォーマンス・ゴールを達成するためにどれだけ時間や労力を投資できるでしょうか? どんなゴールも実現にはそれなりの努力をしなくてはいけないため、冷静な自己分析と誠実さが必要になります。クライアントは自身を深く見つめる必要に迫られるでしょう。コミットメントが足りない場合、モチベーションとゴールを考え直さなくては行けないかもしれません。
 
 

異なるゴールのバランスを取る

上記の違いを理解しておくことは、私たちにとってクライアントを失敗から遠ざけるのに役立ちます。ゴールのバランスをとる技術を持つことで、信頼性も実現性も高いプランを作り、最終的な成功への大きなチャンスを生み出すことが出来るでしょう。

ドリーム・ゴールは継続のための意志の強さや粘り強さを引き出します。実現性の高いエンド・ゴールは、熱意を持って物事に取り組み続けるために機能するでしょう。きちんと整理されたパフォーマンス・ゴールはエンド・ゴールを達成するために必要なレベルへと私たちを導いてくれます。そして、プロセス・ゴール、ワーク・ゴールは必要な仕事や作業を成し遂げるのをより確実にしてくれます。

もしパフォーマンス・ゴールと、ドリーム・ゴール、エンド・ゴールを混同してしまうと、自分自身でコントロールできない要因による失敗で、自分自身を責めることになってしまいます。それは失望と、失敗への道です。自己を理解した上での適切なパフォーマンス・ゴールの設定とエンド・ゴールの組み合わせを行っていたなら、もし最終的な結果が私たちの意に反するものであったとしても、再チャレンジが可能なだけの実力を得ることは出来ているはずです。達成するために必要な能力を、自ら努力することで得られていたことに気づくでしょう。

最後に

『ゴールのピラミッド』を理解し使いこなすことは、コーチにとって非常に重要です。これがクライアントの強み、勇気、意志、ひいては自己への信頼や責任感を構築していくための設計図となります。ゴール設定が革新的であれば、夢の実現のための基礎設計で必ずしも自分に出来る範疇を超えて全てを把握しようとする必要はなく、ゴールは自分たちで達成可能な実際的なものとなることでしょう。

著者:アリソン・ニュービー

アリソン・ニュービー博士はインスティチュート・オブ・リーダーシップ・マネジメントの資格を持ったコーチであり、イギリスにあるマンチェスター大学の名誉研究員。現在はスタッフと研究者のコーチングを専門にしおり、大衆と大学両方のために履歴ベースの教材なども作成中。彼女の情熱はコーチングと人間開発に向けられている。コーチングについてのブログも書いている。Twitterで彼女をフォローするには@NewbyCoachLiveへ。

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Originally written in English by Alison Newby
Coaching World, April 27, 2018, Setting and Achieving Transformative Goals


https://coachfederation.org/blog/setting-and-achieving-transformative-goals

翻訳:牧野内正雪

Disclaimer: This article was approved by ICF for translation and was translated by a Japanese translator hired by ICF Japan Chapter. The original article of this translation was written in English for ICF Coaching World. Please note that ICF and ICF Japan Chapter do not take any responsibility for any potential errors or mistakes in the translation. For clarity of the content, please refer to the original version on the ICF website at https://coachingfederation.org/blog

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