事実:一夜にして偉大なコーチになった人はいない。
そこに至るには、意図的な実践、学習、その過程で蓄積された失敗からの学びを積み重ねていく年月が必要です。
私はかなり前からプロフェッショナルコーチとして活動していますが、新米コーチだった頃には失敗を繰り返し、その全ては教訓となって、今のコーチングの実践にしっかりと生かされています。
しかし、私が気がついたことは、コーチとしてスタートする時(考えてみると、時にはすでにプロフェッショナルコーチだとしても)心の底からの謙虚さと素直さを持って自分の実践を見直し、そのプロセスの中で本当に役立たないものを見極められるように、振り返るのが重要だということです。なぜなら、時に私たちはクライアントの役に立つことに一生懸命になりすぎて、重要なことや避けるべきことを忘れてしまうからです。
もしもここに述べるようなミステイクに気づき、そのようなことをしてしまっていたとしても、解決策は自分を責めることではなく、むしろ、再調整の後にまっさらなところからやり直すことです。自分をもっと優しく見つめ、自分の実践経験を認めてあげましょう。
結局のところ、完璧ではなく、進歩が全てなのです。
ここではコーチが避けるべき5つの共通したミステイクをお伝えし、あなたの素晴らしいコーチになるための旅に役だてていただきたいと思います。
1.コーチのセッションにしてしまう
コーチングセッションでは、クライアントが主役です。ショーのスターはクライアントであり、コーチではありません。あなたがクライアントと似たような経験をしても気にせずにいましょう。セッション中の共有は不要です。また、新しいコーチングのテクニックを学び、それをすぐに使って見せたくなる、それもどうでも良いことです。その前に練習する方法(もっと良いタイミングも)があるでしょう。あの手この手でコーチ自身を肯定するために脚光を浴びるようにする、それは違います。純粋に興味や好奇心を持ち、クライアントが自分自身を知り、より深く理解できるようなパワフルな質問をして、クライアントを輝かせましょう。
2.複雑で層になっている質問をする
最短時間で最多質問をしたコーチのための賞などはありません。常に、量より質であるべきです。繰り返しますが、コーチングの会話はシンプルであればあるほど良いのです。わかりやすい言葉、シンプルなセンテンスを使い、一文の中に質問を重ねて盛り込まないようにしましょう。1度に1つ、焦点を絞った戦略的な問いを用いて、クライアントが探るための十分な時間とスペースを与えましょう。知的である前に、明確で。
3.コーチのジャッジを持ち込む
クライアントのことはクライアント自身が一番よく知っています。ですので、疑問があれば、推測せずに質問してください。あなたの憶測が会話に枠を作り、美しいブレイクスルーのための素晴らしい通路を塞いでしまう可能性があります。
また、その過程でコーチ自身やクライアントを何かしら決めつけてしまっては、真の関係を築くこともできません。コーチングセッションには、余分な荷物はどんな形でも持ち込む必要はないのです。そのようなことをしたなら、コーチもクライアントも短絡的なところに行き着くにすぎません。
4.気が散った状態でいる
コーチングセッションをうまく進めたいのであれば、コーチとクライアントの両方が100パーセントでそこにいる必要があります。好奇心からの質問しましょう。積極的な傾聴をしましょう。それに応じて進めましょう。急がずに。必要ならば立ち止まります。「今」に居ましょう。内外の雑音に惑わされず、あなたのベストを尽くしましょう。常にベストを尽くし、常に今この瞬間にいましょう。
5.自分に過大なプレッシャーをかける
リラックスしてください。クライアントと同様に、あなたもまた旅を楽しむことを学ぶ必要があります。あなたやクライアントが思い描く結果にこだわって、時間やエネルギーを無駄遣いしないようにしましょう。フォーカスされるべきものは、結果のみではなく、コーチングの旅全体なのです。あなたの鞄に入っている問いでクライアントの答えをいちいち予想するような真似をしてストレスを溜めるのは、やめましょう。流れに任せ、その後には成長していきましょう。
さて、以上です。これらに心当たりはありますか?大丈夫です。あなたは今、前に進むチャンスを得ました。
私が今のようなプロフェッショナルコーチになることは、自己啓発的な旅でした。私たちはICFのコア・コンピテンシーと倫理規定を実践の指針とし、コーチングの最も高い水準を保ち、同じようなミステイクを繰り返さないようにすることができます。最後になりましたが、重要なのは、経験から学び成長することであり、#bestmeever (史上最高の自分)になることなのです。