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引退を迎えるクライアントへのコーチング

職からの引退は、自由と個人の選択の幅が広がり、自分の時間を管理できる、祝福すべき時です。引退者は、仕事の義務や責任の重圧がなくなって、ストレスが軽減され、よく眠れるようになることが多くなります。家族や昔からの趣味、新しい体験のための時間も増えます。しかし、このような機会があるにもかかわらず、引退者の3人に1人は新しいライフスタイルに悩みを抱えています*。

引退者はどんなことに悩むのか、そしてどうすればより良い準備への助けができるのか?

新しい生活の新鮮さが失われると、引退者は目的がなくなったような気分や、モチベーションの欠如を感じて、身動きが取れなくように感じ始めます。また、仕事場での交流がなくなったことに寂しさを感じるようになり、引退後はこれらのことが全く違うことに気づきます。中には、自分の一部を失ったかのように感じ、打ちひしがれ、死別のような感情を訴える人もいます。また、「誰かである存在から、誰でもない存在になった」と感じる人もいます。

このような社会的・心理的な調整は、引退者を驚かせることが多く、多くの人が単に仕事に戻ることを望むようになります**。もちろん、仕事に戻ることはいつも可能であるとは限りません。しかし、もっと重要なことは、引退後に意義や充実感を感じ、より大きな幸福感を支えるために、私たちはもっとできることがあるということです。人々が充実したキャリアを見つけるために、これほどまでに考え、計画し、エネルギーを注いできたのですから、引退後の人生にも同じような配慮と注意を払うべき時が来ているのです。

クライアントの引退後の移行をサポートすることは、よりバランスのとれた現実的なものの見方を作っていくことから始まります。退職者がうまくやれるのは、どんな時でしょうか?そして、どんな点がそれを困難にする原因になるのでしょうか?彼らが共通に経験するアジャストメントについて理解することで、引退者のスムーズな移行をサポートすることができます。

引退者や引退前の方と働く際に気をつけたいポイントを、ここにいくつかご紹介します。

1.退職に対する認識は、計画、適応、幸福に影響を与えます。

引退とは至福の時であり、リラックスした時間である、と過度にポジティブな見方をすると、経済的にも心理的にも退職後の計画をうまく作れないことがよくあります。一方、否定的な見方は、引退を退屈、健康の衰え、さらには死と同一視してしまいがちです。後者の考え方は、引退を全て避けることにつながり、健康や幸福に大きな影響を与える可能性があります。しかし、どちらも典型的な引退の経験を反映しているわけではありません。ほとんどの人にとって、引退はメリットとデメリットが混在し、チャンスも課題もあるものなのです。

お客様の引退に対する考え方を理解し、それが引退後への準備とどのように関係しているかを理解することが非常に重要です。引退を成功に導くのは、まず引退が意味するものを捉え直し、よりバランスのとれた長期的な視点を身につけることかもしれません。

2.仕事での経験が引退後の土台を形成する

仕事でプロジェクトに没頭する人、社会的な要素で成功する人、あるいは単に仕事を収入源と考える人など、こうしたキャリア体験が引退への移行に織り込まれていくのです。また、仕事は私たちの個人的な人生の物語やアイデンティティの感覚の大きな部分を形成しています。引退生活はこの物語の続きであり、しばしばアイデンティティの転換となります。

キャリア経験を振り返り、クライアントが自分の仕事にどのような意味を見出しているかを理解することは、クライアントにとって引退への移行が何を意味するのかを理解する上で役立ちます。

3.計画された追求の質が重要である。

活動レベルの低下は、引退後の幸福感の低下と関連しています。しかし、いくつかの魅力的な楽しみを見つけることは、単に予定表を埋めることよりも幸福感にとって重要であるかもしれません。例えば、ボランティア活動は引退後の幸福感を支えますが、それは引退者がそれを肯定的、有意義、または刺激的と見なす場合のみであることが分かっています***。
問題解決の機会に出会うことは、引退後にはますます難しくなり、自尊心を支えるのに重要な役割を果たしかねません。 

このような日常生活の変化に伴い、私たちは引退後の様々な楽しみの質や特徴をしっかりと見極め、それらがどのように幸福感を支えているのかを考える必要があります。

4.人間関係も調整される。

日常的な交流の多くが仕事で行われるため、引退後の私たちの社会的世界は大きく変化する傾向があります。通勤途中の一見些細な交流でさえ、ポジティブな感情をもたらし、一般的な幸福の一部として、社会的容器を満たすのに役立ちます。また、家にいる時間が長くなることで、親しい人間関係が新しく、予期せぬ調整を受けることも少なくありません。このような変化は、引退後の幸福感に大きな役割を果たします。

お客様の人間関係やネットワークの質、そしてそれらが退職後にどのように変化するかを探ることは、彼らがスムーズに移行していくことを手助けする上で非常に重要なことです。

職場での幸福感に注目が集まる一方で、クライアントが仕事から移行する際に、その引退が選択によるものであれ、状況によるものであれ、私たちはコーチとして、彼らがより良い準備ができるように支援する機会も持っています。これは、引退後に持ち越せるような小さな種を蒔くことかもしれませんし、熟考されたコーチング・プログラムでより集中的なサポートを提供することかもしれません。

引退への移行と引退後のライフプランの詳細についてはRetirementLifePlan.com/Coaches https://www.retirementlifeplan.com/coaches にご参加ください。

*Wang, M. (2007). 引退の移行と適応の過程における引退者のプロファイリング。引退者の心理的幸福の縦断的変化パターンを検証する。Journal of Applied Psychology 92 (2): 455-474.

**Jacobs, Lindsay, and Suphanit Piyapromdee (2016). 「高年齢における労働力の移行:バーンアウト、回復、そして引退からの復帰」 Finance and Economics Discussion Series 2016-053.Washington:Board of Governors of the Federal Reserve System, http://dx.doi.org/10.17016/FEDS.2016.053.

***James, B., Besen, E., Matz-Costa, C., & Pitt-Catsouphes, M. (2012). ただやるだけか?…そうではないかもしれない! 高齢化社会における人生と時間研究から得た人生後期の活動に関する洞察。Chestnut Hill, MA: Sloan Center on Aging & Work, Boston College.

著者:ポーリン・ジョンソン・ジーロンカ(Ph.D.)

ポーリン・ジョンソン-ジーロンカ博士は作家であり、リタイアメント・ライフプラン社の創設者です。産業心理学のバックグラウンドを持ち、職場における幸福に焦点を当て、博士課程在学中に退職後の移行に興味を持つようになる。退職後の適応に関する研究を通じて、退職後の適応と幸福に共通する領域を特定。これらは、リタイアメント・ライフプラン社が提供するコースやその他のリソースの基礎となっている。

※ 本ブログで紹介されているゲスト投稿で述べられている見解や意見は、著者のものであり、必ずしも国際コーチ連盟(ICF)の見解や意見を反映するものではありません。ICFブログにゲスト投稿を掲載することは、著者が提供する製品やサービスをICFが推奨または保証するものではありません。

Originally written in English by Pauline Johnson-Zielonka, Ph.D.
Coaching World, December 1, 2021, Coaching Clients Through Retirement


https://coachingfederation.org/blog/coaching-through-retirement

翻訳:高山 博

Disclaimer: This article was approved by ICF for translation and was translated by a Japanese translator hired by ICF Japan Chapter. The original article of this translation was written in English for ICF Coaching World. Please note that ICF and ICF Japan Chapter do not take any responsibility for any potential errors or mistakes in the translation. For clarity of the content, please refer to the original version on the ICF website at https://coachingfederation.org/blog

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