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コーチングスーパーヴィジョン:立ち止まり、見つめ、聴く機会

私は2010年にコーチングスーパーヴィジョンを学び、教え、提供しはじめましたが、これは私の長いコーチングキャリアの中で特にやりがいがあり、支えの側面があるものでした。私のクライアントは、この仕事のおかげでより良くなっていると思います。

 最近の10人のリーダーシップコーチとのグループスーパーヴィジョンセッションでは、私たちの交流において重要なのは単純に止まるということだ、ということがクリアになりました。スーパーバイザーとして私のやるべきことは、主に、彼らが呼吸できる空間を保つことでした。

マーガレット・ムーアとポール・ハマーネス博士が書いた“Organize Your Mind, Organize Your Life”では、気持ちの乱れの蔓延について述べています。現代に生きる非常に多くの人々は、あまりにも速いスピードでたくさんのことが起きる状況に圧倒されており、このような個人的な、またシステム的な問題の影響を、ケーススタディや脳画像診断からのレポートで説明しています。それはあまり好ましいものではありません。

この10年の間、私はムーアやハマーネスの説にあてはまる、一生懸命働くたくさんのコーチに出会ってきました。またつい先日は、あるコーチが新しいクライアントにネガティブな反応を覚えたことを心配して、私のところにやってきました。(このケースを話すことについては彼の許可を得ています。)彼は、このとても珍しい反応を理解したかったのです。私たちは一緒にさまざまな角度からこのケースを眺め、彼は、このクライアントに特に変わったところがないことを理解しました。この反応は、彼の疲労が限界に達して、一度退く必要があることに起因しているようでした。

このケースは、コーチングスーパーヴィジョンの重要な貢献を示しています。コーチのコンピテンシーは優秀なのに、コーチの健康-まさに彼の人間性-が彼のプロとしての能力を危うくしていました。もし彼が、最初のリアクションをクライアントの何かと結びつけていたら、なんと悲しいことでしょうか。

コーチングスーパーヴィジョンは、コーチが立ち止まり、見つめ、聴くための静かな場を提供します。

わずか1時間で、コーチは自分のコンピテンシーや存在する能力、仕事における倫理的な注意力を取り戻しました。気持ちが乱れている状態は、倫理的能力を低下させるのです!

立ち止まって聴くことで、私たちは、私たち自身の声-バックグラウンドでつぶやいている自分の声を聴くことができるのです。

数年前、南アフリカ生まれのエグゼクティブコーチが、ナイジェリアの会社でマネージャーをしているクライアントの進捗が芳しくないことに懸念を抱いたことがありました(彼女は、名前を出さないという条件のもとでこのケースを使うことを許可してくれました)。最初のミーティングでは結論ありきとはせず、クライアントの状況を探りました。彼女は、優しげな感情でいる様子で次のミーティングにやってきて、古いパターンが自分のコーチングに制限をかけていると確信したことについて、話してくれました。この気づきは、彼女(コーチ)についてであって、彼女のクライアントについてのものではないことに着目してください。

アパルトヘイトの時代に育ち、彼女と白人の家族はそのような破壊的な政策への反対活動をしていました。その結果、彼女はいかなる黒人も傷つけることなくいようと気を遣っていることに気づきました。これは、一人の大人としても彼女の核となる原則となりました。しかしながら、彼女は、この深い倫理観がこの契約における彼女とクライアントの間の関係性にも作用していたことを発見しました。黒人に危害を加えないという彼女の長年の原則が、クライアントに適切に挑戦することを阻んでいたのです。

その後の会話で、彼女はあるミーティング中に立ち上がって、マネージャーグループに「怖い」と言ったことをシェアしてくれました(彼女の恐れの詳細はここでは重要ではありません)。その存在感と弱みをみせる勇気、なんと素晴らしいことでしょう! そしてクライアントグループの男性の一人が立ち上がり、彼もまた、怖さがある、と言いました。ワークが、コーチングの目的に向かって展開し始めたのです。

コーチングスーパーヴィジョンはコーチの意識を広げ、より精緻でパワフルなコーチングへのアクセスを拡大します。

2つめのケースとして、パラレルプロセスと呼ばれるパターンが見られます:
スーパービジョンの文脈で起きたことは、クライアントの文脈でも起きています。どちらのケースでも、コーチはクライアントについての発言で会話に入りました。コーチは時々、クライアントにフォーカスした探索を始めて、コーチ自身についての発見で終わることがあります。クライアントや、クライアントの問題、コーチングのアプローチについての認識を深める努力は不可欠であり、コーチについてのコーチ自身の認識や、コーチとクライアントがどのように相互に関係しているかについての認識も同様です。

スーパーヴィジョンでの振り返りを通して、私たちはコーチが内に持つ力とパラレルプロセスを発見することができます。これにより、クライアントに関わる際の選択肢が増え、感情や抵抗、チャレンジが、どれがコーチのものでどれがクライアントのものなのかを正確に整理することができます。そうすることで、もっとも適切な質問を用い、巧みなフィードバックを提供し、時に出現する複雑な倫理観にも対処できるコーチへと繋がっていくのです。

著者:サム・マギル,MCC

エクゼグティブコーチ、リーダーシップコーチとして25年、コーチングスーパーヴィジョンのパイオニアである。2009年にヨーロッパを訪れた際にコーチングスーパーヴィジョンの効果を発見し、北アメリカで展開するためトレーニングを受ける。今日では、米国ワシントンにある彼のオフィスで対面で行うだけではなく、世界中のコーチにバーチャルでスーパービジョンを提供している。 1988年から1996年まで、ボーイング社におけるマネージャー職と社内コーチの実践を積み、退職後は彼自身のコーチング活動を始めた。カリフォルニア州立大学イーストベイ校で経営学の修士号を取得し、サンタバーバラのハドソン研究所の卒業生であり、教員であったこともある。さらに2010年、英国ロンドンにあるコーチングスーパーヴィジョンアカデミーでディプロマプログラムを修了した。詩人・フォトグラファーとしての彼の活動を通して、人の働き方に関する幅広い理解を深めていっている。2006年、彼の初の詩集となるFully Humanを出版した。

Originally written in English by Sam Magill, MCC
Coaching World, March 19 2020, Coaching Supervision: An Opportunity to Stop, Look and Listen


https://coachingfederation.org/blog/supervision-stop-look-and-listen

翻訳:栂村 雅美

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