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母国語ではない言語で効果的にコーチングをする方法

COVID-19によって起きた世界の大混乱にもかかわらず、人は様々な目的のために新しい国に移動し続けています。国際移住機関(IOM)によると、2019年には、世界人口77億人に対して国際移住者は2.72億人、30人に一人が移住者だということになります。(比較のために-1995年は1.74億人)

私は、この傾向を意識し、この分野に飛び込んで視野を広げることが重要だと信じています。新しい言語を学ぶことや異文化を知ることは、私たちの世界観を広げ、人として、またコーチとしてのあり方のクオリティを高めます。

多くの移民にとって、その時々によって複数の言語を使い分けることは新たな常識となっています。しかし、プロフェッショナルレベルのコミュニケーションが必要とされる時は、また事情が全く違います。

ここでは、外国語で効果的なコーチングをするための5つのヒントをご紹介します。

1. 勇気を持つ

コーチングセッションでは、イディオムや文化的背景がとても重要なので、非常に外国語力に長けていたとしても、プロフェッショナルとしてその言語を使うことに慎重になる人もいることでしょう。誤解を招くことや適切な表現ができないことが心配になるからです。しかし、コーチングは、言葉(もしくはストロングクエスチョン)がすべてではありません。他の重要な要素として、パートナーシップ、倫理観、プレゼンス、アクティブリスニングなどがあります。母国語ではない言語でプロフェッショナルレベルの技量を身につけたなら、恐れずに自分のコーチングを提供し、宣伝しましょう。勇気はコーチの重要な資質の一つです。勇気をいろいろな形で示すことで、自分の個性やコーチングの質を高めることができます。

2. 知らないものにもオープンでいる

あなたが知らない単語やフレーズがあるかもしれませんが、コーチングでは、たとえ自分自身の言語だったとしても、言葉や概念を当然のように受け止めることはありません。良いコーチは、ブラインド&デフ(目が悪く耳が遠い)であると言われます。私たちは、自分の世界観での理解に関係なく、クライアントの世界観・文脈でそれが何を意味しているのか、言葉の持つ意味を問い続けます。クライアントによっては、全く違うものを意味しているのかもしれません。

しかし、その意味するところが理解できず、自分の理解がその邪魔をしてしまう場合はどうしたら良いのでしょうか? その時は、いつでもパートナーシップの中で聞き出すことができます。もちろん、1セッションの中で何度も言葉の意味を聞くのはイライラするかもしれませんが、何回かに1回ならば、大丈夫だと思います。

ミーティング後のあなたの振り返りの中で、辞書を引き、その単語や使われる文脈を学ぶことができます。

3. あなた自身がクライアントへのギフトであることを忘れない

ここで言いたいことは2つです。

  • 1. コーチとは、コーチングにおける最高の道具です。
  • 2. 私たちは、ただ言葉を聴くのではなく、それらを超えて聴くのです。

それは、あなたの個性、共感性、倫理観、直感、聴く力などが、ネイティブスピーカーではないという事実を補ってくれるかもしれないという意味です。私の初期の実践段階では、私が専門的に習得している英語とスペイン語でクライアントにコーチングをしていました。当時の私がコーチングの初心者であり、母国語がロシア語であったにも関わらず、これらのコーチングの関係性は、非常に実り多い結果となり、顧客満足度も高いものでした。

4. 専門性を持つ-様々な方法で言語を向上させる

以前からある言語の習得方法のほかにも、コーチングとあなたの言語能力を向上させる方法はたくさんあります。国際コーチング連盟(ICF)では、さまざまなチャプターでコーチたちから学べ、コーチングのコースを受講したりウェビナーやデモを見たりできる素晴らしい機会があり、全ては様々な言語で行われています。

それぞれの言語は、とりまく世界に対して様々な視点を与えてくれます。多くの科学的研究が示すように、私たちは、私たちの話すことばが示してくる枠組みで世界を見ています。異なる文化の、違う先生から学ぶことで、私たちはコーチングのスキルを指数関数的に伸ばすことができます。

私の個人的なお気に入りは、本棚に何ヵ国語かのコーチングの本を並べることです。コンピテンシーや倫理についても、自分が話す言語で読み直しています。

5. 言語だけではなくクライアントの文化についても学ぶ

アップデートされたICFのコア・コンピテンシー(https://coachingfederation.org/core-competencies)には新しい側面が含まれており、文化の違いによる影響を認識し、それを尊重するように促しています。「文化」というものは、必ずしも明白なものではなく、明文化されていないものや暗黙のルールがたくさんあります。好奇心を持ち、質問し、探究し、特に自分の文化と違うと感じたときには、その現れ方や習慣に細心の注意を払うことが大切です。

勇気を持って、果敢に他の言語でのコーチングの世界を探究していくならば、あなたは、世界とあなた自身への信じられないほどの洞察を得ることができるでしょう。

著者:エレナ・セメンチャク, ACC

エレナ・セメンチャク(ACC)。ICF認定コーチであり、トレーナー、基調講演者。6つの言語を話し、そのうち4つはプロフェッショナルに流暢に話します。エレナは国際的・多文化的企業で15年間の経験を持ち、現在は、海外在住の専門家が人生やビジネスにおいて新しいレベルに到達するように支援する企業家です。

※ 本ブログで紹介されているゲスト投稿で述べられている見解や意見は、著者のものであり、必ずしも国際コーチング連盟(ICF)の見解や意見を反映するものではありません。ICFブログにゲスト投稿を掲載することは、著者が提供する製品やサービスをICFが推奨または保証するものではありません。
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Originally written in English by Elena Semenchuk
Coaching World, May 4,2021, How to Effectively Coach in a Language Different From Your Mother Tongue


https://coachingfederation.org/blog/how-to-coach-in-another-language

翻訳:栂村雅美

Disclaimer: This article was approved by ICF for translation and was translated by a Japanese translator hired by ICF Japan Chapter. The original article of this translation was written in English for ICF Coaching World. Please note that ICF and ICF Japan Chapter do not take any responsibility for any potential errors or mistakes in the translation. For clarity of the content, please refer to the original version on the ICF website at https://coachingfederation.org/blog

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