カリスマ性のあるリーダーは、先見性があり自らの考えをはっきりと明示します。メタファーや逸話を用い、ストーリーテリングで強烈なインパクトを与え、パワフルかつ面白い話で聞いている人の心をつかみます。更には、自らのプライベートについて躊躇せず話すことで、人々と心理的に繋がることに長けています。
エモーショナル・インテリジェンス(感情的知性)
カリスマ性のあるリーダーは、感情的知性が高いものです。つまり、状況や周囲のニーズを知覚する能力が高いため、人々の心に訴えかけることができます。このようなリーダーは、人が発する言葉そのものよりも、その人の真意に注意を向けています。他者の心情を深く理解することができるため、最も適切な言葉を選択し、心に響かせ人々の共感を呼び起こす達人でもあります。また、自身の感情を管理し表現する能力にも極めて優れています。
カリスマ性を長年研究し続けている、クレアモント・マックケナ・カレッジ(Claremond McKenna College)のロナルド・リッジオ博士(Ronald Riggio Ph.D.)は、カリスマ性を高める方法として顔の表情を豊かにすることを薦めています。氏は、サイコロジー・トゥデイ紙(Psychology Today)の中で、リーダーに次のように提唱しています。リーダーは、鏡の前で様々な表情を作る練習をし、自身の感情がどのように伝達されているか周囲からフィードバックをもらいましょう、と。
ミッションを語る
カリスマ性のあるリーダーは、ビジネスの手法やプロセスよりも自身を突き動かす情熱や与えられた使命について語ります。カリスマ性の高いリーダーが持つ独自のビジョンは、周囲に多大な影響を与えます。このようなリーダーシップスタイルを持つカリスマ性のある人は、物事の現状をより善くしていくことを重要視します。適切なタイミングで物事に取り組み、即時により大きなビジョンに結び付けることで、一つのことが全体にもたらす影響の大切さを示します。そしてこのようなカリスマ性のあるリーダーは、「どうやって」を唱えることで人を導こうとはせず、「何のために」(why)、を問うことで人を導くのです。
高い熱量
カリスマ性のあるリーダーは、エネルギーに満ち溢れています。その場に現れるときは、心身ともにその場にしっかり存在しています。身体の姿勢や声のトーン、表情やジェスチャーの全てに一貫性があります。このように醸し出されるエネルギーは、周囲へ電波することを心得ているため、自らの熱量を高めることで他者を鼓舞するのです。カリスマリーダーの存在は、周囲のやる気を起こさせエネルギーを高めるのです。
親しみを感じさせる人柄と自分をさらけ出す態度
カリスマ性のあるリーダーは、共に働く人々が仕事に全力で打ち込んでいることを把握しているため、「彼らを駆り立てるものは何か?」「どのような私生活を過ごしているのか?」、と彼らに関心を持ち理解に努めます。このようなリーダーは、人の名前やそれぞれのストーリーを忘れずに覚えており、後にその話題に触れながら自分の身の上話をします。とりわけ、個人的な話では躊躇することなく、自分をさらけ出します。カリスマリーダーは知っているのです;そうすることで、信頼関係が構築され心理的安心安全な環境が作られ、彼らもまた自分をさらけ出せるようになることを。
高い水準を課し、厚い信頼を置く
カリスマリーダーは、自分にも周囲にも高い水準を課します。その水準に到達できるよう勇気づけ、絶対的な信頼を置き、そしてポジティブで訴求力のあるビジョンを示します。そして、彼らのパフォーマンスがその期待に沿っていない時には的確かつ前向きな姿勢で、前進するために出来ることに焦点を置き対処します。また、日頃のパフォーマンスからその人のポテンシャルを見極めることができ、その人よりもその人の可能性を見出せるのです。
枠にとらわれない態度
カリスマ性のあるリーダーは、多くの場合、型にとらわれない態度を巧みに示します。一般的なリーダーと比較すると、勇敢で創造性に富み、リスクに回避的になることも少ない傾向にあります。このため、時に予想もしない行為や衝動的な行為にさえ走ることがあり、組織内では注意を払い考慮すべき特性でもあります。
先に挙げた事柄が全てではありませんが、このように見てみると全ての要素は向上させ開発可能であることは明白です。つまり、カリスマ性は「コーチング可能な領域」であることを意味しています。カリスマ性は、持って生まれたものであると同時に確実に育めるものなのです。