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多くの情報を集めても、意志決定に与える影響は少ない

指先一つで多くの情報を集められるようになった昨今、私たちは意思決定のためにより多くの情報を使えていると考えています。しかし、ユニバーシティ・オブ・シカゴの最近の研究で、人は多くの場合、素早い決定のために過剰な情報を捨てていることが分かりました。

「正確な予測のために、人は多くの情報を必要とする時もあれば、全く必要としないこともあります」と、ユニバーシティ・オブ・シカゴのブース・スクール・オブ・ビジネスの准教授であるエド・オブライアンは言います。「研究により明らかになった重要な実態は、ほとんどの情報が使われていないのにも関わらずより多くの情報が必要だと考えるのはどの人なのか、事前に知ることが困難であるということです」

7つの調査から成るこの研究では、被験者は意思の決定においての情報量の大切さを過大評価し、多くの情報が意思決定プロセスには組み込まれていないことに気づけていませんでした。

その内の1つの調査によると、被験者は15cc程の小さなカップに入った新しい野菜ジュースを1杯飲むように言われます。そして、ランダムで選ばれた被験者は、そのジュースが好きか嫌いかを判断するのにカップ何杯分必要かの予測を聞かれます。残りの被験者は、実際に好き嫌いが決定できるまで飲み続けてもらいました。そのジュースが好きか嫌いかに関わらず、予想の杯数は、実際に判断に必要だった杯数を超えていました。

他の調査では、経営層に出願中のMBA生に、採用決定者が彼らの雇用の決定のために何本のエッセイ(小論)を読むと思うかを尋ねました。学生は、採用決定者は複数のエッセイを読み、その数が多すぎても、少なすぎても職を得られないだろうと答えました。

この研究は、情報の提供者は、その情報がきちんと見られており、情報を探す側の人間が意思決定のためにすべての情報に目を通すと考えていることを暗示しています。

「よく言われていることですが、この食い違いは、今の情報時代、かつてない程に多くの情報にアクセス出来る時代に特に顕著です」とオブライアンは語ります。「人はアクセス可能な情報が増えるほど自分の意志を伝え、お互いの考えを変えるために役立つと考えますが、人が実際に決定するのはほとんど一瞬なのです」

著者:リサ・カニンガム

リサはICFのソーシャルメディアスペシャリストであり、フリーライター、ソーシャルメディアコンサルタントでもある。チャタム・ユニバーシティでウェブのコンテンツの発展についてのプロフェッショナル・ライティングで修士号を取得、ユニバーシティ・オブ・ピッツバーグでイングリッシュ・ライティング&コミュニケーションで学士号を取得している。

※ 本ブログで紹介されているゲスト投稿で述べられている見解や意見は、著者のものであり、必ずしも国際コーチ連盟(ICF)の見解や意見を反映するものではありません。ICFブログにゲスト投稿を掲載することは、著者が提供する製品やサービスをICFが推奨または保証するものではありません。

Originally written in English by Lisa Cunningham
Coaching World, March 27 2019, More Information Doesn’t Impact Your Decisions

https://coachfederation.org/blog/quick-decision-without-all-info

翻訳:牧野内正雪

Disclaimer: This article was approved by ICF for translation and was translated by a Japanese translator hired by ICF Japan Chapter. The original article of this translation was written in English for ICF Coaching World. Please note that ICF and ICF Japan Chapter do not take any responsibility for any potential errors or mistakes in the translation. For clarity of the content, please refer to the original version on the ICF website at https://coachingfederation.org/blog

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