WHAT'S COACHING?
ICF CORE COMPETENCY
ICFが定めるプロコーチの能力水準

2019年改訂版
ICFコア・コンピテンシーモデル
Updated ICF Core Competency Model

国際コーチ連盟は、実践されているコーチングを24ヵ月に亘り緻密な分析を行い、コア・コンピテンシー(国際コーチ連盟が定める核となる能力要件)モデルの更新を発表するに至りました。
このコンピテンシーモデルは、ICF本部会員と非会員の両方を含む世界中の1,300人以上のコーチから収集されたエビデンスに基づいており、多様なコーチングの分野、トレーニング歴、コーチングスタイル、および経験レベルを反映しています。
この大規模なリサーチの取り組みを通して、国際コーチ連盟が約25年前に開発した既存ICFのコンピテンシーモデルは、今日のコーチングの実践にとっても、非常に重要であることが立証されました。今回の更新では、データから抽出されたいくつかの要素とテーマがモデルに統合されました。
更新された内容では、倫理的行動と守秘義務、コーチングのマインドセットと継続的な実践の重要性、コーチングの契約内容を踏まえていること、コーチとクライアントに求められる適切な関係性、文化的、体系的、状況認識の重要性を最優先事項として強調しています。
新たなテーマで組み直されたこれらの基本的な構成要素は、今日のコーチング実践の重要な要素を反映しており、今後、より有力で包括的なコーチングの基準として機能することでしょう。

A
基盤を整備する
Foundation

01.倫理に基づいた行動をしていることを示している
Demonstrates Ethical Practice

定義:コーチングの倫理とコーチングとしてあるべき基準を理解し、常に適用している
Definition: Understands and consistently applies coaching ethics and standards of coaching

1. クライアント、スポンサー、および関連する利害関係者とのやり取りにおいて、個人の真摯さと誠実さを示している
Demonstrates personal integrity and honesty in interactions with clients, sponsors and relevant stakeholders

2. クライアントの自己認識、とりまく環境、経験、価値観、信念に慎重に配慮している
Is sensitive to clients’ identity, environment, experiences, values and beliefs

3. クライアント、スポンサー、および関連する利害関係者に対して適切かつ敬意を表す言葉を使用している
Uses language appropriate and respectful to clients, sponsors and relevant stakeholders

4. 国際コーチ連盟が定める倫理規定を順守し、コア・バリュー(品位、卓越性、協働、尊重)を支持している
Abides by the ICF Code of Ethics and upholds the Core Values

5. 利害関係者との合意および関連する法律に合わせて、クライアント情報の守秘義務を守り続けている
Maintains confidentiality with client information per stakeholder agreements and pertinent laws

6. コーチング、コンサルティング、心理療法、その他の支援的職業とを区別し続けている
Maintains the distinctions between coaching, consulting, psychotherapy and other support professions

7. 必要に応じて、クライアントに他の支援的職業の専門家を紹介している
Refers clients to other support professionals, as appropriate

02.コーチングマインドを体現している
Embodies a Coaching Mindset

定義:開放的で、好奇心を持ち、柔軟性があり、クライアントを中心に据えた、思考態度を開発し、維持している
Definition: Develops and maintains a mindset that is open, curious, flexible and client-centered

1. クライアント自身に選択の責任があることを認識している
Acknowledges that clients are responsible for their own choices

2. コーチとして継続的な学習と能力開発を行なっている
Engages in ongoing learning and development as a coach

3. 実践中のコーチングの振り返り能力を高めることで、自身のコーチングの質を高めている
Develops an ongoing reflective practice to enhance one’s coaching

4. 常に自身と他者の状況や文化の影響を意識しつつも、それに捉われないでいる
Remains aware of and open to the influence of context and culture on self and others

5. 自身の気づきとその場での直観を使ってクライアントに利益をもたらしている
Uses awareness of self and one’s intuition to benefit clients

6. 感情を整える能力を開発し、維持している
Develops and maintains the ability to regulate one’s emotions

7. セッションに備え、精神的及び感情的な準備をしている
Mentally and emotionally prepares for sessions

8. 必要に応じて外部情報のサポートを求めている
Seeks help from outside sources when necessary

B
関係性をともに築く
Co-Creating the Relationship

03.合意の確立と維持
Establishes and Maintains Agreements

定義:コーチングの関係、プロセス、計画的および目標に関して明確に合意するために、クライアントおよび関連する利害関係者と協力している。コーチング全体についての合意だけでなく、各コーチングセッションについても合意を確立している
Definition: Partners with the client and relevant stakeholders to create clear agreements about the coaching relationship, process, plans and goals. Establishes agreements for the overall coaching engagement as well as those for each coaching session.

1. コーチングとは何で、何でないのかを説明し、クライアントと関連する利害関係者とのプロセスを説明している
Explains what coaching is and is not and describes the process to the client and relevant stakeholders

2. コーチとクライアントとの関係性の中で、何が適切で何が適切でないか、何が提供され何が提供されないか、およびクライアントと関連する利害関係者の責任について合意に達している
Reaches agreement about what is and is not appropriate in the relationship, what is and is not being offered, and the responsibilities of the client and relevant stakeholders

3. コーチング関係における指針および特有の要因、例えば、具体的な進め方、費用、スケジュール、期間、終了条件、守秘義務、その他関わる人などについて、合意に達している
Reaches agreement about the guidelines and specific parameters of the coaching relationship such as logistics, fees, scheduling, duration, termination, confidentiality and inclusion of others

4. クライアントおよび関連する利害関係者と協力して、コーチング全体の計画と目標を設定している
Partners with the client and relevant stakeholders to establish an overall coaching plan and goals

5. クライアントとコーチが共通認識を持つために、クライアントとパートナー関係を築いている
Partners with the client to determine client-coach compatibility

6. セッションで達成したいことを特定または再確認するために、クライアントとパートナー関係を築いている
Partners with the client to identify or reconfirm what they want to accomplish in the session

7. クライアントとパートナー関係を築き、クライアントがセッションで達成したいことを実現するために、クライアント自身が対処や解決する必要があると信じていることは何かを見極めている
Partners with the client to define what the client believes they need to address or resolve to achieve what they want to accomplish in the session

8. クライアントとパートナー関係を築き、達成したい成功の尺度が、コーチング全体に対してか、あるいは、個々のセッションに対してかを、特定または再確認している
Partners with the client to define or reconfirm measures of success for what the client wants to accomplish in the coaching engagement or individual session

9. クライアントとパートナー関係を築き、セッションのタイムマネジメントを行い、重要なことに焦点を当てている
Partners with the client to manage the time and focus of the session

10. クライアントが表明しない限りは、クライアントが希望する成果に向かってコーチングを続けている
Continues coaching in the direction of the client’s desired outcome unless the client indicates otherwise

11. 価値ある経験としてコーチング関係を終了するために、クライアントと協力し合っている
Partners with the client to end the coaching relationship in a way that honors the experience

04.信頼と安全を育む
Cultivates Trust and Safety

定義:クライアントとパートナー関係を築き、クライアントが自由に話せる安全で支援的な環境を創り出している。相互に尊重し信頼する関係を維持している
Definition: Partners with the client to create a safe, supportive environment that allows the client to share freely. Maintains a relationship of mutual respect and trust.

1. クライアントの自己認識、とりまく環境、体験、価値観、信念を含みうる状況で、クライアントへの理解を深めようとしている
Seeks to understand the client within their context which may include their identity, environment, experiences, values and beliefs

2. クライアントの自己認識、物の捉え方、流儀、言葉遣いに敬意を示し、クライアントにコーチングを合わせている
Demonstrates respect for the client’s identity, perceptions, style and language and adapts one’s coaching to the client

3. コーチングの過程で、クライアント独自の才能、洞察、努力を承認し、尊重している
Acknowledges and respects the client’s unique talents, insights and work in the coaching process

4. クライアントへの支援、共感、関心を示している
Shows support, empathy and concern for the client

5. クライアントが、感情、物の捉え方、関心、信念、懸念を表現することを承認し、支援している
Acknowledges and supports the client’s expression of feelings, perceptions, concerns, beliefs and suggestions

6. クライアントとの信頼を築くことができるように、自分の不完全さも見せるなどして、開放性と透明性を示している
Demonstrates openness and transparency as a way to display vulnerability and build trust with the client

05.今ここに在り続ける
Maintains Presence

定義:開放的で柔軟で安定的で自信に溢れる態度を以って、クライアントに対して感覚をフルに開き、今ここに共に在り続けている
Definition: Is fully conscious and present with the client, employing a style that is open, flexible, grounded and confident

1. クライアントに対して、集中しており、観察者であり、共感的で、反応良く対応し続けている
Remains focused, observant, empathetic and responsive to the client

2. コーチングの過程において、常に好奇心を示している
Demonstrates curiosity during the coaching process

3. クライアントとともに居続けるために、自身の感情を管理している
Manages one’s emotions to stay present with the client

4. コーチングの過程において、クライアントの強い感情と向き合うことへの自信を示している
Demonstrates confidence in working with strong client emotions during the coaching process

5. 知らないことに対しても、快適に対応している
Is comfortable working in a space of not knowing

6. 沈黙、間、または振り返りのための余白を作り出し、許容している
Creates or allows space for silence, pause or reflection

C
効果的なコミュニケーション
Communicating Effectively

06.積極的傾聴
Listens Actively

定義:クライアントの状況を理解して流れを読み取り、それまでのやりとりをすべて踏まえて、クライアントの自己表現を支援するために、クライアントが何を話し何を話していないかに集中している
Definition: Focuses on what the client is and is not saying to fully understand what is being communicated in the context of the client systems and to support client self-expression

1. クライアントが何を伝えているかについての理解を深めるために、クライアントの状況、自己認識、とりまく環境、体験、価値観、信念を考慮している
Considers the client’s context, identity, environment, experiences, values and beliefs to enhance understanding of what the client is communicating

2. クライアントが伝えた内容を反復または要約することで、明確さと理解度を高めている
Reflects or summarizes what the client communicated to ensure clarity and understanding

3. クライアントが伝えている以上の何かがあることを認識し、問いかけている
Recognizes and inquires when there is more to what the client is communicating

4. クライアントの感情、エネルギーの変化、非言語的な合図、またはその他の行動に気づき、認識し、 探索している
Notices, acknowledges and explores the client’s emotions, energy shifts, non-verbal cues or other behaviors

5. クライアントの言葉、声のトーン、ボディーランゲージからの情報を統合し、伝えられていること全体の意味を把握している
Integrates the client’s words, tone of voice and body language to determine the full meaning of what is being communicated

6. クライアントのテーマやパターンを見定めるために、一連のセッションの中でクライアントの行動と感情の傾向に気づいている
Notices trends in the client’s behaviors and emotions across sessions to discern themes and patterns

07.気づきを引き起こす
Evokes Awareness 

定義:人を動かす質問、沈黙、比喩や類推などのツールやテクニックを用いて、クライアントの洞察と学習を促進している
Definition: Facilitates client insight and learning by using tools and techniques such as powerful questioning, silence, metaphor or analogy

1. 何が最も有益であるかを決める際には、クライアントの体験を考慮している
Considers client experience when deciding what might be most useful

2. 気づきまたは洞察を引き起こすひとつの方法として、クライアントに挑戦を促している
Challenges the client as a way to evoke awareness or insight

3. クライアントの考え方、価値観、ニーズ、欲求、信念について質問している
Asks questions about the client, such as their way of thinking, values, needs, wants and beliefs

4. クライアントが現在の思考を超えて探索していくことに役立つ質問をしている
Asks questions that help the client explore beyond current thinking

5. 今この瞬間に体験しているもっと多くのことについて話してもらえるように、クライアントをいざなっている
Invites the client to share more about their experience in the moment

6. クライアントの進歩を強化するために、何が機能しているかに気づけるようにしている
Notices what is working to enhance client progress

7. クライアントのニーズに応じてコーチングのアプローチを調整している
Adjusts the coaching approach in response to the client’s needs

8. クライアントの現在および将来の行動、思考、感情のパターンに影響する要因の特定を助けている
Helps the client identify factors that influence current and future patterns of behavior, thinking or emotion

9. どのように前進できるか、あるいは何を望み何が可能かについて、自分からアイデアを生み出せるようクライアントをいざなっている
Invites the client to generate ideas about how they can move forward and what they are willing or able to do

10. 物の捉え方の枠組みを変えて、クライアントを支援している
Supports the client in reframing perspectives

11. クライアントが新しい学びを生み出す可能性を持てるように、観察、洞察、感情を、それに固執することなく共有している
Shares observations, insights and feelings, without attachment, that have the potential to create new learning for the client

D
学習と成長を育む
Cultivating Learning and Growth 

08.クライアントの成長を促進する
Facilitates Client Growth

定義:学びと洞察を行動に変容させるためにクライアントと協力し合っている。コーチングの過程の中で、クライアントの自律性を促進している
Definition: Partners with the client to transform learning and insight into action. Promotes client autonomy in the coaching process.

1. 新しい気づき、洞察、あるいは学びをクライアントの持つ世界観と行動に統合するためクライアントと協働している
Works with the client to integrate new awareness, insight or learning into their worldview and behaviors

2. 新しい学びを統合し、広げるような目標、行動、説明責任の尺度を創り上げるために、クライアントと協力し合っている
Partners with the client to design goals, actions and accountability measures that integrate and expand new learning

3. 目標、行動、説明責任の方法を創り上げる中で、クライアントの自律性を承認し、支援している
Acknowledges and supports client autonomy in the design of goals, actions and methods of accountability

4. 様々な行動の中から得られそうな結果や学びを見極めることで、クライアントを支援している
Supports the client in identifying potential results or learning from identified action steps

5. どうやって前進するのかを、使える情報、支援、障壁の可能性なども含めて、クライアントが考えるようにいざなっている
Invites the client to consider how to move forward, including resources, support and potential barriers

6. セッション中やセッション間の学びや洞察を要約するために、クライアントと協力し合っている
Partners with the client to summarize learning and insight within or between sessions

7. クライアントの成長と成功を祝福している
Celebrates the client’s progress and successes

8. クライアントと協力して、セッションを終了している
Partners with the client to close the session

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