私がコーチングビジネスを始めたのは、オフィスでコンピューターの前に一日中座り続けるのではなく、もっと自由になるためでした。でもその2年後、私は画面の前に前以上に貼り付いている自分に気づいたのです!
組織の中で働いていた頃と比べて、必要な仕事ではもちろん、それ以外のことでも大事な私の時間は消えていき、前よりも疲れを感じるようになっていました。その時間が何に使われているのか時間計測ソフトで測ってみたところ、多くの時間がひとつのことーデジタルな雑音(Digital Distractions)ーに費やされていることが分かりました。
なぜデジタルな雑音はあなたにとって良くないのか
コンピューターの前に座って、さあこれから必要なことをやるぞと意気込んだのに、一日が過ぎると結局何も大切なことが終わってないなんて経験はありませんか? ずっと何かをしていたはずなのに、やらなければいけないことは逆に増えています。あなたの時間を吸い込んでいるブラックホールの正体は、デジタルによる中断です(それがあなたの意志によるものか、コンピューターによるものかに関わらず)。平均すると、私たちは3分15秒ごとに、自分でものごとを中断し、タスクを切り替えています。
例えば、あなたが自分のサイトのブログに新しい記事を書いている途中に、メールが来たとしましょう。例えメールをその時読まなかったとしても、私たちの脳が元の作業に戻るのには平均して64秒を要します。その64秒を一日に届くメールの数だけ掛け算していけば、一日に1~3時間が一種類の雑音によって無駄になっていることになります。他に、一体いくつの雑音があるでしょうか?
身に覚えがありましたか? デジタル機器による雑音は、気づきにくいですが、あなたの生産性とゴールに向かう能力にとって有害です。研究によると、私たちはデジタル機器の雑音によって発生したタスクの切り替えを行うと、40%の生産性を失うといいます。これは私たちのせいとは限りません。
最近のウェブサイトやアプリは、人間をより長くオンラインにいさせようとデザインされています。それによって、企業はお金やデータを得ているからです。Facebookの無限に続くスクロールや、Youtubeで次々と読み込まれる次のおすすめ動画などを思い出してください。だからこそ、あなたが5分だけ記事をチェックしようとしたのに、あちこちをクリックして2時間が過ぎ、いつの間にか、かわいらしい猫の動画を見ていた、なんてことになるのです。
デジタル機器による雑音への対策は
注意力は、コーチにとって最大の資産の一つです。しかし、対処しなければいけない情報量が多すぎると、それに圧倒されたように感じ、時には燃え尽きに繋がる危険性すらあります。もしあなたが全てのことに対して完璧を目指し、全てのクライアントの依頼にすぐに返信し、SNSを全部読んで返信やコメントを返しているとしたら、自分の手に余ることをしようとしているかもしれません。
私自身がたどり着いた解決策は、意識的に4つのステップー時間、空間、関係、自分自身、のマネジメント原則ーでデジタルとの境界を作り直すことです。
時間のマネジメント
デジタルワールドでの時間のマネジメントとは、下記を決めることです。
a) いつデジタル機器を使っていいのか、いつは駄目なのか
B) デジタル上で何かを行う時に、それにどのくらいの時間をかけるのか
長時間働いた後は、デジタル機器を見ないようにし、疲れた時や新しい視点が欲しい時には何日か連続でオンラインと繋がらない日を作ります。機器の「通知」機能はオフにして、メッセージなどのチェックは1時間ごとなどにまとめて行うようにします。
同様に、インターネットでの活動に、どれだけの時間を費やすかも決めました。インターネットの世界は終わりがなく、SNSでのマーケティングにも果てがありません。とはいえ、もしあなたがSNSでのプレゼンスに週3時間しか費やしていないのであれば、そこにはもっと時間を掛けた方が良いかもしれません。
空間のマネジメント
空間のマネジメントはと、どこで機器を使い、あるいは使わないのかを決めることです。私の家にはベッドルームやダイニングテーブルなどの聖域があり、そこでは電話もコンピューターも禁止です。これらの場所は、私自身に充電の機会をもたらしてくれています。
関係のマネジメント
関係のマネジメントとは、他者が、いつ私にコンタクトが出来て、いつは返信が期待できないのかをコントロールすることです。私は通常、週末にはメールに返信をしませんし、近しい人には本当に緊急な時用に電話番号を知らせています。もし新しいクライアントを得る為には頻繁に返信をしなくてはならないと感じるなら、その作業だけ外注することも検討しましょう。
自分自身のマネジメント
最後に、自分自身のマネジメントとは、あなたが自身の限界とトリガーを知っておくことです。例えば私の場合、一人で働いていて疲れてきた時にデジタル機器で気晴らしがしたくなります。ですので、その兆候が見られた時点で、仕事を無理に続けようとせず、料理や散歩など、何か体を動かせることをするようにします。
究極的には、他者を助けるためには私たち自身があげられるものを持っていなければなりません。そのために、私たちは使いこなせれば素晴らしいデジタル機器をコントロールし、決して逆にコントロールされないようにしなくてはならないのです。