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仕事に情熱を持つ時、そこに忍び寄る搾取には気を付けよう

普段私たちは、自分が情熱を持つことのできる仕事を探そうとします。しかし、最近の研究によると、働き手が情熱を持っているほど、仕事に搾取されている可能性が高いといいます。

デューク大学、オクラホマ州立大学、オレゴン大学の研究者は、学生、マネージャー、無作為に選ばれたオンラインでの被験者など2400人を対象に、8つの研究を行いました。

その研究では、情熱を持つ従業員は、同じような情熱を持たない従業員に比べ、超過勤務や、無給の仕事、自己の価値を落とすような仕事を受け入れやすいことを示しました。週末に仕事をしたり、家族の時間を割いたり、無給の仕事をしたり、職責外の仕事をすることは、情熱を持つ従業員にとっては正当であり、価値のあることであると、被験者たちは捉えています。

「自分の仕事を愛せるということは素晴らしいことです」デューク大学のフクア・スクール・オブ・ビジネスの教授、アーロン・ケイはそう言います。「しかし、仕事の場というのは、従業員が情熱を追い求めるにはそれなりのコストがかかる場所であるともいえます」

研究によると、情熱を持つ従業員が搾取されるのには2つの大きな理由があります。仕事そのものが自分にとって報酬だと信じることと、情熱を持つ従業員はタスクがあればどのみち志願するだろうと思われていることです。ケイはこれを「代償の正当化」と呼ばれるものだと説明しています。

ケイは「私たちは、世界がフェアで正しいものだと信じようとします」と言います。「不当な状況に直面した時、私たちは時に、それを正そうとするよりも思考を捻じ曲げて状況を補おうとすることがあります。それがフェアに見えるように状況を正当化し、不正の犠牲者は何か代わりに得られるものがあるものだと思い込もうとします」

「この場合、追加手当てなしに従業員が仕事をすること、その人の価値を落とすような仕事や職責外の仕事をさせること、彼らは自分の情熱のために仕事をしているのでそのような仕事をさせてもフェアだと信じ込むことは、正当化と同じ意味を持ちます」そう、ケイは言います。

自らの仕事を愛する従業員には、何も得るものがないのでしょうか。搾取されることなく、情熱を持ち続けるにはどうしたら良いのでしょう?

自己認識が、そのカギとなります。

研究の主執筆者、ジャエ・ユン・キムは「私たちの研究は、情熱を持つことに反対するものではありません」と言います。「情熱を持つ働き手が、たくさんのものを得ているという優れた証拠ももちろんあります。ただ仕事の中に情熱を見つけるべきだという今の文化の中で、搾取に気づかないふりをしたり、それを正当化させてはいけません。これは、その警鐘を鳴らすためのものなのです」

もしあなたが今の仕事を愛しているなら、それはとても素晴らしいことです。しかし、そこにあるかもしれない搾取にも気を付けてください。

著者:サバンナ・パットン

サバンナ・パットンはICFのコミュニケーションズ・アシスタント。ケンタッキー・スポーツ・ラジオのフリーライターでもある。2016年5月に、広報にフォーカスした統合戦略的コミュニケーションでユニバーシティ・オブ・ケンタッキーの学士号を取得した。

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Originally written in English by Savannah Patton
Coaching World, June 14, 2019, Having Passion for Your Job May Not Always be the Best


https://coachfederation.org/blog/passion-may-lead-to-exploitation

翻訳:牧野内正雪

Disclaimer: This article was approved by ICF for translation and was translated by a Japanese translator hired by ICF Japan Chapter. The original article of this translation was written in English for ICF Coaching World. Please note that ICF and ICF Japan Chapter do not take any responsibility for any potential errors or mistakes in the translation. For clarity of the content, please refer to the original version on the ICF website at https://coachingfederation.org/blog

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