【CoachingWorld】「分からない」を気づきに変える12の方法

クライアントはしばしばこんな言葉を口にします。「分かりません」
本当は分かっているのに、その答えと向き合うのを恐れているのです。
私たちがコーチとしての直感を信じ、彼らが不都合な真実~それが何であれ~について話すのを手助けすれば、それは“気づき”によって報われることでしょう。

クライアントの「分かりません」という言葉が示す可能性はいくつかあります。例えば、本当は彼ら自身が何を必要としているかは分かっているのに、それを成す準備が出来ていない場合。自分が何を考えているのかを話せるほど私たちを信じていない場合。自分の中にある批判的な考えが、自分にとっての真実を馬鹿げているとか、子どもっぽい考えだと捉えている場合(「もっと大人になれよ!」)。もしくは、その答えを口に出してしまったら、それを行うことを宣言してしまったことになるのではないかという怖れがある場合などです。

人が、自分が本当は何を考えているのかを受け入れられない時、本質的には自己の一部を否定してしまっていることになります。自分自身がどんな人間であるかということよりも、どんな人間であるべきかということにより強くフォーカスしてしまっているのです。「分かりません」という言葉は、自らが何を考え、感じているのかという真実に直面することを避け、前に進むことを止めてしまうことになります。

質問に答えることは、クライアントが何かを行うことのためというよりも、彼ら自身が自らの考えや感じることに真摯に向き合うためにあります。「この仕事を辞めるべきだと分かっているけど怖い」であったり、「ちょっとしたことなんだけど、どうしても頭を下げたくない」、「自分は臆病者なのかもしれない、人に笑われるのが怖いのだ」あるいは、「立ち向かわなくてはいけないのは分かっているけど、争いは嫌いだし、友情が終わってしまうのではないかと心配だ」などといったような。

今こそ私達は真実を手にし、そのためにするべきことがあるはずです

これは深堀りが必要な作業です。もしクライアントが声を大にし、自らの真実を認めるのが簡単であったなら、すでにやっているはずだということを忘れないようにしましょう。

クライアントが対策をとり、不都合な真実を語るための勇気ある一歩を踏み出すのは、思い切ったことです。不安もありますが、爽快、場合によってはほっとする様な一面もあるでしょう。その時は、彼らの不都合な真実の中から、あなたはクライアントの気持ち、希望、怖れ、自らに対する評価、思い込みなど、深い部分を見つめていくことが出来ることでしょう。彼らが前に進むのを助けられるはずです。

そこからは、彼らが難しいと感じていることを小さなステップに切り分け、より良い/新しい手段を見つける手助けたり、ロールプレイを行うことが出来ます。最悪の事態に対してのバックアッププランも考えておくべきでしょう。特に大事なことは、彼らが自らの全人格を認めることができるようサポートしていくことです。一般的に「良い」とされることも、「悪い」とされることも、両方です。

真実を見つめることは、痛みも伴いますが、自らを自由にもしてくれます。そしてしばしば、そこから「気づき」が生まれるのです。

「分かりません」を気づきにするための12の方法は以下のとおりです。

  1. シンプルに沈黙する。何も答えず、静かに次の答えを待つ
  2. 「分からないというのは、あなたにとってどういうことですか?」
  3. 「分からないことで、どんな利点がありますか?」
  4. 「今、この質問にそう答えてどんな気持ちがしていますか?」
  5. (良い関係性が築けている状態で細心の注意を払った上で)「うーん。何があなたに分からないフリをさせているのでしょうね?」
  6. 「もしあなた自身がそれについて話すのを、子どもっぽいとか、お笑い種だとか、ささいなことだとか思わずに自ら認められたら、どうですか?」
  7. (優しく)「“分からない”の根底には何がありますか?」
  8. (ゆっくりと)「深呼吸してください。そしてもう一度質問の中に深く入っていくのを感じてください。その“分からない”場所にリラックスして入っていきましょう。」
  9. 「では、もし(その分からないことが)色/匂い/味/音を持っていたら、どのような感じですか?」
  10. 「私も同じように思うことがあります。あせらずゆっくり考えてみて、何か思うことがあったら教えていただけますか?」
  11. 「もしあなたが実はこっそり答えを知っていて、誰も(私ではなくあなた、もしくは別の誰か)それを勝手に評価したり、価値を決めつけることができなかったら、どうなりますか?」
  12. 「ヘリコプターに乗って、あなたの人生地図の上を飛行しているところを想像してください。ここまでの道のりで、何がありましたか? この視点から下を見下ろして、先ほどの質問に、今度は何と答えますか?」

重要:クライアントが自己開示をするのを勇気づける時、彼らが私たちコーチを信じ、弱い面を見せるのに足りるだけ安全だと感じる必要があります。私たちにとって小さな、とるに足りないことに見えても、彼らにとっては意味のあるものであることもあります。時間をかけてください。親切に、思いやりと理解を持って接してください。彼らの言葉を反映し、評価をせず、理解を確かめていきましょう。コーチであってください。あなた自身であってください。

これで「分かりません」に捕えられてしまったと感じる必要は、もうありません。この内の方法のどれかを使ってください。その時は、もしかすると“気づき”に出会うのはあなた自身の方かもしれません!


著者情報
エマ=ルイーズ・エルジー
エマ=ルイーズ・エルジーは、10年以上のコーチング経験を持つ、The Coaching Tools Company.com、 ICF Business Solutions Partnerそして Life Coach on the Goの創設者。以前はプロジェクトとリレーションシップ・マネージャーとしてFortune 500の企業などで働いていたが、2003年にコーチングと出会い、それ以来コーチング一筋。もしこの記事が気に入ったら、100を超えるコーチング演習、アクティビティー、ビジョン&ゴール設定ツールを含むツールキット、そして25を越す無料のコーチング・ツールがあります。私たちの、素晴らしい記事とツールが含まれた会員限定のコーチ向けニュースレターを受け取るにはThe Coaching Tools Company.comに会員登録してください。


【翻訳 牧野内 正雪】
Originally written in English by Emma-Louise Elsey
Coaching World, July 3 2017, 12 Ways to Turn “I Don’t Know” into an Aha Moment!
https://coachfederation.org/12-ways-to-turn-i-dont-know-into-an-aha-moment/

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